くりブロ―考古学を中心に―

日々勉強したこと、特に考古学や歴史に関する情報をまとめていきます。マイペースに、ゆるく書いていきたいです。

勉強法についての一考察 青ペンで書きなぐるだけで勉強ができるようになる!?

f:id:sekaowa-sekaishi:20171203152558j:plain



 こんにちは、くりと申します。

今日は、早稲田塾の創業者・相川秀稀氏の著書『頭がよくなる青ペン書きなぐり勉強法』を読み、自分なりに勉強法を考えてみました。以下に、考察内容を記載します。

 

【3点要約】

  • 勉強には「解読」、「記憶」、「編集」という3つのプロセスがある。
  • 「解読」では、「一滴も聞き漏らさない」つもりでメモを取り、「記憶」ではそのメモを活用し、なるべくシンプルな方法で暗記してゆく 。そして「編集」の段階では人に教えるつもりで暗記事項を説明する。
  • 「青ペンで書きなぐる」というのは、あくまで「簡単な方法でいいからとにかく勉強を始めろ」ということの比喩。Do not think! Act!

 

 

 

【目次】

 

1.勉強の「3つ」のプロセス

 『頭がよくなる青ペン書きなぐり勉強法』を読んだ結果、勉強にはある3つのプロセスがあるのではないか、という結論にいたりました。その、3つのプロセスとは・・・

 

  • 解読
  • 記憶
  • 編集

 

この3つであると私は考えます。

なんか難しいことを言っているように思われるかも知れませんが、仕組みは簡単です。要するに、情報を仕入れ(解読)、大事なところを覚え(記憶)、覚えた内容を自分で使ってみる(編集)、ということです。インプットによって情報を頭の中に叩き込み、アウトプットによってさらに理解を深めてゆくという一連の作業を、3つのプロセスに当てはめ直しただけのことですね。

では、以下から、3つのプロセスごとに解説を加えていきます。

 

2.解読

「解読」とは

まずは、「解読」の段階から。

「解読」とは、前述したように、「情報を仕入れる」ということ。具体的には、授業中や会議中に発表者が言っている内容をメモするだとか、本に書いている内容を、線を引いたりメモをとったりしながら理解していくなど、外部からきた知識や情報を自分の手元に集めていく段階が「解読」です

ここで注目すべきなのは、ダラダラとメモをとるのではなく、「一滴も聞き漏らさないぞ!」という気迫でもってメモをとらなければならないということです。

 

「一滴も聞き漏らさない」ことの効果

なぜ、一滴も聞き漏らさないようにメモをとらなければならないのか。私自身、大学の講義で教授の話す内容をメモする際、なるべく全部の内容を書き写すようにしていますが、確かに「一滴も聞き漏らさないぞ!」と意識するのとしないのとでは、明らかに結果が変わってきます。具体的に言うと、

 

  • 話を聞く際、眠くならない
  • 内容をその場で理解できる
  • わからないところを発見できる
  • メモの再現性が高くなる
  • 情報の取捨選択が上手くなる

 

以上の4つが主な効果であると思われます。

「一滴も聞き漏らさない」ようにメモするということは、話の最中にずっと集中力をきらさないということ。普通に話を聞いているだけなら集中力が途切れ眠くなってしまいますが、メモをとりながら話を聞けば、ほぼ眠気はおこらず、ずっと集中力を維持できます

また、何もかも書くとは言っても、話の速さにメモが追いつくはずもなく、書いているうちに情報を取捨選択する必要にかられると思います。このように、「一滴も聞き漏らさない」ようメモをとることで、次第に情報が取捨選択され、コンパクトかつ明快なノートが出来上がります*1。従って、結果的にメモの精度が上がり、))後で読み直したときに話の内容がありありと思い浮かぶ、すなわち、メモの再現性が高くなります*2

加えて、取捨選択しながら書くということは、頭の中で話をかみくだいているということであり、メモをとりながらのほうが、話の詳細をその場で理解しやすくなります。また、その場で理解できている分、逆にわからないところや聞き漏らしているところも見つけやすく先生に質問しに行くことができるようになります

 

まとめ

このように、「解読」の段階では、外から入ってくる情報を、「一滴も聞き漏らさない」ようにメモにとることが大事であり、そうすることによって上記の5つのような効果を得られることがわかりました。

f:id:sekaowa-sekaishi:20171203152716j:plain

 

3.記憶

「記憶」とは

次に、「解読→記憶→編集」のうちの2つ目、「記憶」について説明します。

「記憶」とは、簡単に言うと、大事なところを覚える、暗記する段階です。例えば、高校の定期試験や、受験勉強、あるいは資格をとるための試験のために、私たちは試験に出そうな大事な事項を一生懸命暗記しようとします。このように、重要なワードを頭に叩き込み、テストなどでちゃんとそれらのワードを答えられるようにする、この段階のことを私は「記憶」と名付けました。

先ほど、「解読」の段階の説明で、「一滴も聞き漏らさない」ようにメモをとることの重要性を話しましたが、そうやって苦労して授業中に書き取った全てのメモが、「記憶」の段階では抜群の効果を発揮します。すなわち、先ほども申しましたように、「一滴も聞き漏らさない」ようにとったメモには、非常に多くの情報が詰め込まれているため、そのメモを読み返すと当時の授業の様子がありありと再現されるようになります。このように、再現性の高まったメモを見ながら大事なワードを暗記してゆけば、そのワードが意味していることや、他のワードとの関連などを含め、体系的に知識をインプットすることができるので、必然的に暗記がしやすくなります

皆さんはこのような経験をしたことはありませんでしょうか。学校の試験勉強を始めようとして、書き溜めたノートや配布プリントを開く。しかしそれらに書き記されている内容は、ただただ黒板に書かれた内容を書き写しただけだったり、本当に重要そうな箇所だけだったり…。これでは意味の分からない呪文をただひたすら覚え続けるという苦行を強いられることになり、たとえ暗記ができたとしても、授業の内容を本当に理解したことにはならないはずです。従って、「記憶」の段階では、「解読」の際に一生懸命とったメモを用いることによって初めて、質の良い暗記をすることができるのです

 

青ペンで書きなぐって暗記する

さて、ここからは「記憶」においてどのように暗記してゆくのか、具体的な手法を記述していきます。

私は、相川氏の著書『頭がよくなる青ペン書きなぐり勉強法』を読み、具体的な暗記方法を2つ考えました。それは、

 

  • 青ペンでノートに書きなぐって覚える
  • 復習を欠かさずにする。何回も読む

 

以上の2つです。

まず、青ペンで書きなぐって覚えるということですが、何故「青」ペンでなければならないのでしょうか。また、「書きなぐって」とありますが、本当に書きなぐっただけで覚えられるのか。このような疑問を抱かれた方もいるのではないでしょうか。

このような疑問に、相川氏は明快な解答を示しています。まず、「青」色で書いていくため、他の色よりも視覚的に落ち着き(実験済みとのこと)、結果的に勉強の効率が上がるとのこと(5)*3。また、「書きなぐって」いくことにより、「書く」という行為に集中力が注がれる分効率が良くなり、勉強時間を短縮することができます*4。加えて、「書きなぐって」いくと当然ペンのインクが無くなってゆき、インクが空の芯が次々と溜まっていくと思います。この数多くの芯を自分の手元にストックしておくことで、自分がどれだけたくさん勉強してきたかが一目でわかるようになり、自信をつけることができます*5。そして何より、相川氏はこう述べています。

青ペン書きなぐり勉強法は「世界一」シンプルです。このシンプルさが、努力を続けるときにはじわじわ効いてきます*6

 青ペンで書きなぐることのシンプルさが、私たちをやる気にさせてくれるのです

以上が青ペン書きなぐり勉強法に関する主な勉強効果でしたが、これらの効果を自分なりにかみくだいて理解した結果、一つの答えにたどりつきました。それは、

 

  • 難しいことは考えず、とにかく勉強に着手することが大事。

ということです。

相川氏の主張の中で大事なことは、「とにかく書く」というシンプルな切り口でもって勉強を始め(①)、次第にやる気が出てきて(②)、時間が短縮されるため数多くの課題をこなすことができ(③)、自身がつく(④)、以上の①~④のプロセスが勉強には必要だということです。だから、私たちがまず第一にすべきなのは、①のところ、すなわち、非常にシンプルな方法でとにかく勉強を始めてみるということだと思います。

相川氏の著書の中では、あくまで「青ペンで書きなぐる」という切り口で勉強を開始することがおすすめされていますが、私は別にこれが青ペンだけでなくても良いと思っています。鉛筆でも良いし、三色ボールペンでも良い。要は頭の中に叩き込むことを念頭に入れ、自分のモチベーションを維持できるようなシンプルな勉強法を自分で作れば良いのです。なので、言ってしまえば、ノートに書いて覚える必要もないかもしれません。例えば、書き溜めたメモやプリントを黙読あるいは音読し、どれだけ勉強したかが視覚的にわかるように、その日読んだ箇所の名前を手帳か何かに記録しておく…といった勉強方法も可能なわけです。このように、「記憶」の段階においては、何でもいいのでなるべくシンプルな勉強法を作りだし、その勉強法を上述の①~④のプロセスに当てはめていく、といった方法をとるのが良いのではないかと思われます。

また、復習を欠かさずにするというのは、これは簡単な理屈です。つまり、人間の記憶は時間が経つにつれどんどん薄れていくため、何回も何回も覚えた内容を再確認することで、覚えた内容の定着化をはかるということですね*7

 

まとめ

以上の「記憶」段階の説明をまとめると、

「記憶」の段階においては、「解読」の際に一生懸命とったメモを用いた方がよりスムーズに物事を覚えることができる。また、勉強を始める際は、なるべくシンプルで簡単な方法を心掛け、そこからどんどんやる気を引き出していくのが良い

ということになります。

f:id:sekaowa-sekaishi:20171203152742j:plain

 

4.編集

編集とは

最後に、「編集」の段階を説明します。

ここまでだらだらと「解読」と「記憶」の段階を説明してきましたので、「メモをちゃんととって、大事なところを覚えもしたんだから、もう勉強することなんか何もないじゃないか!」と思われた方もいるのではないでしょうか。しかし、より完成度の高い勉強法を確立するためには、この「編集」の段階が必要なのです。

「編集」の段階とは、これまでとってきたメモをまとめなおしたり、覚えた単語を自分の言葉で説明してみたりする、という段階のことをいいます。つまり、覚えた内容を実際に使って、さらに理解を深めていくという段階になります。

そういえば、私が高校生のとき、ものすごく頭の良い友人が1人いました。彼は現在関西の某有名国立大学に通っています。そんな彼の勉強法も、この「編集」の段階を効果的に取り入れたものでした。例えば、彼は英語の文法を覚えたいときに、彼の友人のうち何人かに、「一緒に英語の勉強をしないか」と声をかけます。そして、彼は友人たちに英語の文法の基礎を教えるため、英文法について書かれたオリジナル授業プリントを作成し、集まった友人たちに対してそのオリジナルプリントを用いながら英語の授業を行っていました。私も彼の授業を受けたことがありますが、彼の話を聞いているとわかったことが1つだけあります。それは、彼の頭の中にはただ単に英文法の知識がつめこまれているだけではなく、それらの知識を自分の言葉で説明できるほど理解が進んでいるということです。おそらく、彼は人に教えるということを通して、文法知識に対する理解を深めていったのでしょう。そしてその理解は、単なる暗記型の知識を超えた、より体系的で総合的な知識の獲得を意味していました

 

「編集」では何をすればいいのか

このように、「編集」の段階においては、実際に知識を使っていくことによって、その知識をより深く理解することができます。では、実際にはどのようなことをすればいいのでしょうか。

要は得た知識を自分の言葉で説明すればいいのですから、方法は多岐にわたります。中でも、先ほども申しましたように、友人などを相手に授業をしてみるだとか、後は今私たちが関わっている「ブログ」なんかも1つの手段として使えるかもしれません。実際、私もこの「編集」の段階のためにブログを始めました。また、メモをとるためのノートの他に、もう1冊「まとめノート」というものを作って「編集」に活用するという方法も考えられます。

このように、「編集」のための手段はたくさん存在します。ただし特にまとめノートを使う場合には、注意点が一つだけあります。それは、

 

  • 見開き1ページにつき、1テーマにする

 

ということです。

これも相川氏の本に書いてありました。同書によると、1つのテーマを見開き1ページに収めることによって、「最初に全体を俯瞰」*8して、次に「全体→部分の順で見る」*9ことができ、その分内容の理解度が上がってゆくとのこと。確かに、かの有名な画家であるレオナルド・ダ・ヴィンチも、メモを取る際は必ず1ページ1テーマを遵守していたようです。万能の天才である彼も、相川氏の言う「全体の俯瞰」を意識してメモをとっていたのかもしれません。

 

まとめ

以上、「編集」の段階のポイントをまとめると、方法は多岐にわたるが、大事なのは人に教えるつもりで、自分の言葉で知識を説明してゆくこと。ノートにまとめる際は必ず見開き1ページにつき1テーマにすること。このような感じになります。

f:id:sekaowa-sekaishi:20171203152759j:plain

 

5.総括

「解読」→「記憶」→「編集」

これまで、相川秀樹氏の著書『頭がよくなる青ペン書きなぐり勉強法』を読んで学んだことを、「解読」、「記憶」、「編集」の3つのプロセスに当てはめながら記述してきました。最後に、この記事の内容をざっくりまとめるなら、

 

  • 解読」…「一滴も聞き漏らさない」という気迫で一生懸命メモを取り
  • 記憶」…とにかくシンプルで簡単な勉強方法でもって暗記をしてゆき
  • 編集」…人に教えるつもりで、暗記した知識を説明してゆく

 

このような感じになります。余談ですが、この勉強法は考古学にも有効だと思います。よく大学で教授方に言われるのは、「厚い記述を心掛ける」ことと、「専門用語を覚える」こと、それから「記述を最終的に報告書にまとめる」こと、これら3つの過程が考古学には必要だということです。これらの過程は、今回私が記事にまとめた勉強法と少し似ているような気がします。

従って、受験生の皆さんはもちろんのこと、考古学を志している大学生の皆さんも、勉強の際はぜひ、この記事でまとめた内容を思い出していただけたらと思います。

以上になります。忙しい中、長々と私の話にお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:相川秀希(2015)『頭がよくなる青ペン書きなぐり勉強法』KADOKAWA 122頁

*2:同32~34頁

*3:同72~75頁

*4:同61~63頁

*5:同109~112頁

*6:同66頁

*7:同130~131

*8:同134頁

*9:同134頁